まちや House s2
1995 年 / HOUSE ( 個人住宅 )
西森陸雄
接道のない敷地で隣接する親類の土地との等価交換似によって接道を得てそこに2世帯住宅を建設する。それぞれの世帯が独立性を保ちながらも、家族全体が集まれる場所を設ける事が必要となった。
計画の出発点はこれらの2つのアプローチが貫入することで形成される、北西のL字型のブロックと南東の短形のブロックからそれぞれ派生する、2つの絡み合うカルバートボックスという物であった。
2つのアプローチの軸が2つのカルバートブロックの間を貫通し、交差する。これがこの住宅の基本基本的な骨格であるが、そのためにこの部分はできるだけ透明にして、まちの中にのびてゆく視線を大切にしている。周囲の町並みや巨大な庭木を借景として取り込み、家のどこにいても、自分の町との関係が認識できるようになっている。
雑然としたまちの構造の中で、単に外部に閉じた建築をつくるのは簡単だが、あえてこのまちの構造に呼応した建物を建てるべきだと考えた。
撮影:古館 克明 (Furudate Katsuaki)