n-GT1
2003 年 / COMPLEX ( 集合住宅 )
西森陸雄、大橋渉(OB)、齋藤昭二
掲載誌:新建築'05.08
10の異なる個性を持った住戸によるほどよいスケールの集住体。
世田谷の住宅街にある旗竿状敷地における長屋の計画である。取り付き道路は奥行きがあり、その先では左右どちらにも広がっている形状であるため、配置計画ではこのアプローチを生かして中庭をとり、各住戸へのアプローチを中庭に集中している。
住戸部分は間仕切りをほとんど作らない大きなワンルーム状の居室と水回りを持つ約30m2のキューブ2つ、ないしは3つからなり、それぞれが立体的に連続して一つの集住体を構成している。構造的には一方向の薄肉ラーメン構造になっており、住戸界壁方向が構造となり、外壁は非構造壁とカーテンウォール状のサッシで構成されている。外部の開口位置については、敷地を囲んでいる個人住宅の窓位置などをさけ、空間的広がりのある位置を狙って設けている。また、この開口の取り方と、配管目隠しのためのアルミの縦ルーバーが不規則に連続して、周囲の戸建住宅にくらべて長く、大きくなりがちな外壁面を、小さく分節することも試みている。
撮影:西川 公朗 (Nishikawa Masao)